ペクトンサミット講習会2

Shave pekk with milling machine

ペクトンディスクをDWX-51Dで切削。
乾式なのでバーにクズが巻き付いてます。

さてペクトン講習会の内容です。やっと今年の仕事も終わりましたのでw
前回のブログに対しhttp://shiny-dentallabo.com/2018/12/15/pekk-workshop-dental-prosthesis-pekk/「お前の御託はいいから、早く講習会の内容を書けよ」
との声が聞こえて来そうなんですが、まあそれもそうだと思いますので
失礼いたしましたと言っておきますw

さて、都合で行けなかった方々にも流行りのバーチャルリアリティーばりに、(あくまで私の視点でスミマセンですが)講習会レポートをお送りします。

まず最初はCM社のエンジニアで技工士のMr・マルコがカタログ通りの講義を
行ってくれました。というか、同時通訳を聞いたかぎり、カタログ文章と何か変わったところを話したのかな?と思うほどカタログ通り進みました。
マルコさんはベルン大学(スイス)の博士号?を持っておられ、CM社のポリマーラインエステティックマネージャーとかいうなかなかの男前です。
男前かどうかは置いておいて、博士だか何だかと世界的企業をプラスすると
こうも現場の人間である私などがが求める話とはかけ離れつつある現実に、呆然としたんですよね。
やはり前回書いたように、こういった研究者的な人と現場の人間の間には
とても優秀な翻訳者たるインストラクターが不可欠で、その人達無しに成り立たない構造なんですが、メーカーはその認識があるのかとぼけているのか、どうなんでしょうね。そういえば日本の政治、行政なんかの現状も似たものがありますかね?

あ、話がズレました。高性能ポリマーの話はためになりましたのでその話をしましょう!

高性能ポリマーのトレンドは、かなりの量のグラスファイバーを入れる事だそうで
エポキシ(マトリックス基材)にグラスファイバーを30%以上?入れるのですが
(トリニアとか他ピークとか)その材料を顕微鏡で見ると、エポキシとグラスファイバーの間に隙間が出来ていて
その隙間に水分や菌が入り込んだり(臭いとかプラークとかの問題ありです)
かつエポキシは弱く(値段は安い)圧をかけると剥離する弱点があり、材料的には問題である、という話でした。とにかくグラスファイバーと基材の間はピッタリしていないと意味がない、という事です。
ですので折角のペクトンですので、粘膜面などはペクトンを直接触れさせるべきで
そこにハイブリッド材を前装しないほうが良いですって事です。

しかし白状するならば、私は3年前にペクトンフルマウスの粘膜面にエステニアを前装しており、
それは何故かと言うとネットでペクトンについて調べたところ、英語のページで
”ペクトン材を直接粘膜に触れさせるな”という文章を発見し
(当時日本語の文献は皆無。今探しても無いのです、まぼろしだったのかw)
そうか、じゃ前装だな、粘膜退縮してもリカバー出来るし!
などと思ってしまったのです(翻訳が間違っていた可能性もあり、)
でも、今のところクレームは無いし・・・経過を観察しましょう!

それはそれとして考えるに、日本の現状は今、どこでも安い技工物が求められ、私などもピーク材でこれから出てくるであろう、色と価格のバランスがよくって、例えばトリニアっぽいもう少し強度のある材料ならインプラント上部構造にそのまま使って(レイヤリングなしで)いいじゃないか?などと思っていたのです。
しかしやはり安いは安いなりマルコさんの言い分を聞けば弱点もあり、それが先生も患者さんも納得で使うならいいと思うのですが、
そこまでの材料の知識も普通の先生にありそうもないし、それをまた専門性の高い話を、これまた理解しづらい患者さんに分かりやすく説明する時間も先生にありそうもないし、
色々問題だよなあ・・と考えていたのです。
(色々問題の問題は何かをさらに突っ込めば、ありがちなのが
ある日ラボの営業マンがやってきて「先生、こちらの新しいピーク、色も細かい指定は出来ないですが、軽くて強くてレイヤリング(前装)しないで行けますから安いですよ」
などと吸水性の話やプラークの話をスッ飛ばして、それをまた先生が鵜呑みにしちゃう
っていう悲しげな話がそこここで展開される、っていうそういう問題の事です)

そんな低レベルの私の思考を打ち破るように流れだした動画は、飯島先生の臨床動画でした。
(イイジマって言ってたのでたぶん袖ヶ浦木更津の飯島先生、違っていたらスミマセン。提供して頂きました、とかテロップつければ?と思いましたwついてたのかな?見えなかったです)
上下フルジルコニアの患者さんが、噛むとカチカチ音がしたり噛み心地が気になって
いたのをペクトンの補綴に変更して、術前術後でその利点が分かりやすいとMr・マルコが評しておりました・・・
外人さんの講義はいつもこんな感じなので驚きもしないのですが、ならば質問時間を取ってもらってこちらが聞きたいことを聞く時間が欲しかったです。
今回の講習会は、全ての演者で質問時間がありませんでした。唯一残念です。

で、MR・マルコの聞き所
1:ペクトンはメタルの思考では使用しない事。面積、連結部、厚みを大き目にすること。

2:ペクトン補綴物のデザインはゆるやかなカーブをつける事。急角度部は破折部となる。(チタンベースとのエッジ(アクセルホール部とか)も緩やかに)

3:ポンティックは1歯。連結部16㎟以上。厚み0,8mm以上

4:切削時、発熱させない事。(私の鋳造床ディスク調整法はダメですねw)リンクhttp://shiny-dentallabo.com/2018/10/10/dental-prosthesis-pekk-3/

 

次に登壇は、仙台でご開業の歯科医の阿部正明先生。
阿部先生は、日常臨床でインプラントとアバットメント、アバットメントと上部構造の
適合精度を追求されている観点から、講義を展開なさっていました。

誰でも経験があるでしょうが、他の方々が”問題ない”とか”きちんとやれば全て上手くいく”というのを聞いて、じゃあ自分も・・とやってみたら何か合わない・・とか
その原因を誤魔化すことなく追及することを、担当技工士さんと日々行っているのでしょう。
特にフィクスチャー内部の嵌合部の構造やネジのセンタリングの話は、(確かどこかで
読んだか、聞いた覚えがあったはずでしたが忘れました)適合精度とその限界に関わる
話です。
どういう事かというと、テーパーネジは正確で(センタリングがしっかりしている)
対してフラットネジは誤差を許容する。
印象やアバットメント固定や上部構造装着の際、その使い方(きっちりする作業は
テーパーネジ、誤差を許容したい時はフラットネジ)を間違えない事が重要なんです
と、いうようなことを仰っていました(違っていたらスミマセン)

ブローネマルク関係の初期のインプラント本で”ホワイトのインプラント上部構造”?
だったと思うのですが、シェーフィールド試験?(うろ覚えです)てのがあって
フルマウスのインプラント上部構造を一端のみネジ固定してラボアナログ上に乗せて
反対側がアナログ上で浮き上がっていても、板状のパラフィンワックスで押さえて
(その程度の力加減マックスで)合っていれば許容範囲である、という話を思い出しました。
そういえば確かに、安いチタンベースなどはフラットネジを使っていて、適合が結構いい加減で、これをプロビ制作に使用してそれを適合確認などに使用したらちょっと
おかしなことになると思います。
ネジっていうのも結構重要で、むか~しアタッチメントを一生懸命勉強してた頃
読んだ本で”アタッチメントワークの為の歯科用ネジ” リンクhttp://www.shien.co.jp/act/d.do?id=103 ってのがありましてちょっと記憶が
アレなのでなんなんですが確か「ネジで一番重要なのは、その座面である」というのが
あって、それを初見した時「え?ネジってあのギザギザで絞めてるんじゃないのか?」
と自分の無知を恥じたのですが、まあその話を思い出しながら拝聴いたしました。

お昼ごはんとランチョンセミナーをはさんで、次に登壇したのが磁性アタッチメントで有名な
千葉の田中譲二先生と協和デンタルラボラトリーの三輪先生のコラボ講義。
三輪さんは協和の若獅子と言われ、いつ木村氏の寝首をかくか!と(冗談です、怒られそうなので消しました)楽しみにしている技工士さんです。

ケースプレゼンテーションなのですが、やはり一味違ったペクトンの使い方というか
応用をされていて、特に目を引いたのがコーヌスのケースにペクトンを使用しており
その維持力が減衰した時に、ペクトンをどう処理したらいいか、という1つのアイデアを提供しており、よく考えつくもんだなあ・・と感心致しました。
ペクトンをコーヌスやアタッチメントのスタビライザーなどに使用した時に、
その適合具合のさせ方は、皆さん苦労されているようで(聞いても内緒ですねw)
簡単には教えてくれません。ですので、今度実験してデータ取りをしようと思います。

次にご登壇は、名古屋でラボをご開業の技工士の中村修啓先生。
自分としてはこの先生の話がとても面白く(3年ほど前のペクトンのケースで
同じような思いをしているので)思わず笑っちゃう場面もあったりしました。
しかし、ペクトンの扱いに関しての追及具合がハンパでなく、自分で実験したデータや
サンプルをCM社に送って確かめたり、その中から使えそうな材料の中から最良のものを選び出したり、すごい人です。
技工士が聞きたかったのはこの方々の話なんですが、結論だけ先に書きますと
1:ペクトンにスチーマを使用するな。清掃にはアルコールを使用
(ペクトンは160度?付近で変形を始める。スチーマは180度にもなる時がある)
*しかしこれについては、その後に大信貿易の石本さんにもらった最新資料に
”表面に水分が残っているのがマズイのであって(接着強度が落ちる)スチーマが使用出来ないのは熱とは無関係”というのがあって、一体どっちなんだよ、と思ってます。

中村先生はレイヤリングするハイブリッド材も、熱が良くないというので
熱を加えて最終重合させるタイプでなく、セラマージュデュオを使用
リンクhttp://www.shofu.co.jp/product/contents/hp0423/index.php?No=1914&CNo=423
しているそうです。(加熱重合レジンとのコンビも不可)
そしてご自身の実験で一番接着効果の高かったのが、GCアドヒーシブ
リンクhttps://www.gcdental.co.jp/sys/data/item/337/

他にも色々と面白い話をしていて、ペクトンの失敗のリカバリー法の話で
セミナーでは言っちゃダメだと怒られた、話なんかを個人的に聞いてみたいですw

書き出すと長くなりダラダラ止まりませんので、また続いて書くことにします。
長文読んで頂きありがとうございました。

 

 

 

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