セミナー参加と主体性の話その2

 landscape

2020年正月
私のランニングコース

さて前回からまたしても間をあけてしまって、あけましておめでとうとも言っていられない状況。
そんな滑ったダジャレはいいからちゃんとやれよ、との声も聞こえる今日この頃。
昨年にも増してパワーアップしていく所存ですので、本年もよろしくお願いいたします。

昨年からの続きになりますが、リンクhttp://shiny-dentallabo.com/2019/12/01/sales-seminar-for-dental-technicians/ これからの歯科技工士の役目は何か、
という演目のドクターアプローチセミナー。
講師の杉山先生は最初に、「依頼された内容が技術的な事ではなかったので、依頼意図が
ちょっと分からなかった」というようなことを話され、ああ、それで何を聞きたいのかの
アンケートを事前に取って、それをフィードバックする講演戦略なのかな、、と思っていたところ
セミナー中にそれが正解だと話されたので、ベルトのあたりでグッ、っとガッツポーズ。

最初の話ぶりからも、このセミナーに人が集まるのか?との思いもあったのか分かりませんが
定員20名の会場は満席。キャンセル待ちもあったようです。
私、遅刻ギリギリでの会場入りでしたが、ざっと見渡して
おそらく30代から50代まで、ベテラン系の技工士さん達が参加されており、それぞれ参加意図は
違うでしょうが、「これからどうしていったらいいのか」を模索されている方々であるとお見受けしました。

これからどうしたらいいの?どうなるの?という命題はCADCAMデジタル期に突入してからこちら、
わたくしも機会あるごとに色々な人に聞くのですが、はっきり言って「 分からない 」
というのが正直な意見であるところだと思います。
分からない、のが本当なのか、知ってても教えない、のかはどうかというと、まあ分からない、のでしょうw
また、数か月前に出たセミナーで講師の先生の言葉で(確か名古屋の中村修啓先生だと記憶、間違っていたらすみません)
「 これからどうなるのか、は分からないけれども これからどうするか、は自分で決められるので
分かります 」との言葉が妙に腑に落ちて納得したのです。
考えても分からない事を考えるから不安になるのであって、主体性をもって( ここでも出ました )
日々実行していく事しかないという事です。

とはいえ、主体性しかなかった若い時、また開業間もない頃は、ただ目の前の仕事に全力を尽くせば良い
と思っていた自分なので将来設計的なものには関心も無かったのです。
矛盾するようですが、やっぱり数か月後の計画、1年後、3年後の目標、出来れば数値目標を設定して、
達成出来たのか出来なかったのか含め再考をする必要が、たとえワンマンラボであってもすべきだと、
今はつくづく思います。

そして上手く考えを実行に移したとしても、その結果として成果が出るのは経験上
2~3年はかかってしまう。その繰り返しを地道に実行する事なしに成長は出来ないのではないか。
普通の企業とかなら当たり前のことを、技工士も考えないといけない時代になったと思います。

そんなレベルの私とは違い、杉山先生はラボ開業当初より10年先の目標を定めて活動していたそうで、することなす事すべて理由があり、ご自身で「運もあった」と謙遜されていましたが
流されてどうこう・・・の活動は皆無。
いやー、これは人間としての出来が違うので今回のセミナーは役にたつのか?と心配になってきます。
しかしお若い時の経験や時代感がほぼ同じため、頷きながらの受講であります。

そんな私たちに杉山先生は「わたしも技工士を辞めようと思った時期があります・・」と話始めます。
また今こうしてあるのは、関わって頂いた方々とのコミュニケーションがとても重要だった、
との事を技工学生時代からの経緯とともに話されました。

技工士学校時代から先生、先輩に恵まれ、勉強家でもあったために数々の
有名スタディグループに所属。環境が人を作ることは特に若い時分には大切な要素なのですが
それもやはりご本人の人間力だと感じます。
ひるがえって自分自身はどうなのか?
機会があれば書いてみたいと思いますが、笑いありまた笑いありの珍道中になる予感しかしません。

話はセミナーに戻りますが、とにかくそのベースになる基礎力が強く、その上に
新しいテクニックをオールラウンドに重ねてくるものだから、一朝一夕に真似しようにも
真似できるものでもない、自信に満ちたプレゼンです。
ですから、もし杉山先生のやり方を丸パクリしようともくろんで講演を聞いたとしても
丸パクリ自体が難しい。

その中でも何とか持ち帰るものを探していくのですが、自分的に白眉であったのは
先生に対するプレゼン法や、それを使って先生が患者さんにプレゼンする、言わば
”一粒で二度おいしい法”
このあたりのプレゼンは自分には全く欠けており、その考え方は非常に勉強になったんですよね。

例えば診断用ワックスアップひとつ取っても、どのくらいの削除量になるのか、や
全体の完成予想、矯正治療の必要性、インプラント埋入位置の設定ぐらいが、自分の提案要素
でしたが、更にその上を提案し正に痒い所に手が届く計画書を作成しているんですね。

その後も、次から次へとよくこれだけ引き出しがあるな、というアメイジング感w
この後もこのセミナーがあるようならぜひ参加したいと思わせるような講演でした。

今回あまり内容を詳しく書かなかったのは、後日大信の石本さんが
「ああいった感じ(技術以外)のセミナー、また受けたいと思いますか?」と聞いてきたので
なるほど、杉山先生も大信さんも「 あれ?こんな場所に新たな猟場があるのかな?」wと
ある程度の感触を得たのかもしれないので、皆様もぜひ参加してみて下さい。

このセミナーで杉山先生が言っていた事は何なのか、
”患者さんのための技工をしよう”という、あなたの真の顧客は誰なのか、という確認。
ともすれば技工士は、”先生がお客さん”という考えになりがちだが、そうではない。
たとえお金になっても、患者さんのためにならない事はやらない、という信念。
言うのは簡単ですが、これを実行するのは大変です。

しかし自戒を含め申し添えておけば、腕も無いのに信念だけは一丁前、みたいな
話になると即、飯の食い上げ、首が絞まることになるのでくれぐれも思い当たる諸氏には
運用に注意が必要な諸刃の剣!笑

ではまた~~