新しい素材ペクトン:2

pekk.dental prosthesis

ペクトンCADCAMアバットメント&
モノリシックジルコニア+Zラスター

 

ペクトンとはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の一種で
ポリエーテルケトンケトンで性質が最高位にありエンジニアリングプラスチックの王様。
数々の国際規格で認証され生体には安全です、とカタログには載っている。

簡単に言えばプラスチックだからとても軽い。そして王様だから強い。
例えば歯が全く無い患者さんがインプラントした時に、その上部構造(歯科補綴物です)は
大きく・重くなるので、その内側の素材として使うと軽くなって都合がいい。
(外側、目に見える部分はセラミックやハイブリッド、他などになります)

色はいまいちだからペクトン単体で補綴は難しいし、メーカー(CM社)も
今のところ色の修正はしないようにみえる。
色々な実験で単体補綴には適さない、と考えたのかな・・
つまり歯科補綴物の表面には出さないで、内側の素材として使うって事ですね。

この辺で 『 だから何なの 』を話さなくちゃいけませんね・・・
売り込みしたいメーカーや関係者とは関係無く、患者さんにとっていいのか?って事を。

治療、補綴の選択肢が増えて色々なオプションから選べるって事は、一つ良い事です。
そしてもう1つが、ペクトンにショックアブソーバー機能があると謳っている事。
普通の天然歯には歯根膜っていうものがあって、それが歯のクッションみたいな
役割をしたり感触を伝えたりしています。

インプラントを埋めても(埋入って言います)そこには歯根膜が無いから知覚しないし
クッションが無い。そのことは、目に触れる部分や噛む部分のセラミックが、衝撃をダイレクトに受けてしまって壊れやすい、と言う事にもなります( それだけが原因ではないですが )

歯に伝わった力は神経から脳に伝えられ、今度は逆に神経から筋肉をコントロールして
力加減を調整しています。インプラントには歯根膜はありませんから、そこから力加減の
調節は出来ません。しかし咀嚼筋や顎関節の神経からも情報が脳に伝えられます。

本当に謳い文句通りなのかは、もう少し色々見てみないと分からないというのが本音ですが、これは一番のメリットだと思います。
何故ならこれは、 ” 噛み心地 ”という曖昧だけどとても重要なものに関わると思うからです。

患者さん本人は普段意識することはあまりないかもしれませんが、なんか変だなとか
しっくりこないとか、ちょっと高いな、とか要するに違和感を感じる、という部分の話です。
ペクトンのショックアブソーバーが機能するならば、ここが改善する可能性があります。

次回に続きます。https://shiny-dentallabo.com/2018/10/10/dental-prosthesis-pekk-3/

 

 

 

 

CADCAM

前の記事

新しい素材ペクトン:1
CADCAM

次の記事

新しい素材ペクトン:3