デジスティル体験会
とっても久しぶりの投稿です。
こうやって段々と面倒になって、ブログも終息していくのだなあー、という体験中です。
いかんいかん、そうは行かないよ笑
とりあえずアウトプットを止めない事。そこから何か見えて来るものもあるかな?
と思っています。
という事で、11月最初の土曜日にCiメディカルさん主催のデジスティル講習会に参加してきました。
今は私、パーシャル、デンチャー関係は全く受注しておらず、今後も積極的にやるつもりも無いのですが
この辺の動向も一応頭に入れておきたいのと、別の新しい発見があるんじゃなかろうか?という
淡い期待を抱きながらの参加でありました。
場所は東京御茶ノ水。
我が出身校である日本大学歯学部付属技工専門学校もある、駅前のビルでございます。
18才から21才まで、夕方から始まり夜終わる専門学校に通い続け 慣れ親しんだ道。
ラボからさほどは遠くもないのですが、久しぶりに降り立ったJRの改札口は、以前の場所は工事中で別出口。
駅前の店舗もビルも、以前あったもの、すっかり新しくなった建物の混在で、月日の移ろいを感じます。
コロナ対策のシュシュっ、ってやつをやってエレベーターで7Fへ。マスク姿のスタッフさんが出迎えてくれました。
席についてカタログを見ていると、「 関山さん、お久しぶりです!」と
マスクの営業スタッフさんが目の前に立たれました。
ん、、?( 誰だろう?マスクしてるし顔が分からないじゃん )と思案していると
「 前にデ〇ツに居りましたk原です!何年ぶりでしょうか?!笑 」と仰るではありませんか、、、。
あーー、K原さん!お久しぶりです。何でここにいるんですか?
いえ、それがですね、、デ〇ツ辞めて今はCiさんにお世話になっているんですよ、、
あ、そうなんですか、、いや、まあ色々業界も大変ですよね、、言いづらい事もありそうですしお察しします、、
いやー、まあその通りで!笑 みたいな会話を交えつつ、講習が始まった訳です。
( 当たり前の話なんですが、技工士だけでなく業界皆さん再編とか撤退とか荒波に揉まれ生き残りに必死です)
ソフトの概要を聞いていて、早速自分の勘違いに気づきました。
このデジスティル、exoの追加オプションの1つだと思っていたのですが そうではなくまったくの別ソフト。
( キャストパーシャルのデザインソフトです。)
ソフト単体で60万程度して、サポートが年6万。年間のライセンス更新料は無料なのですが、そこそこの値段です。
ちなみにexoのパーシャルソフトは追加ソフトで27万、年間ライセンス更新料6万、サポート6万だそうです。
( exoのソフト内容がどんな感じなのか知りたかったのですが、これは偶然知り合いのラボ社長が参加されていて
講習後に喫茶店で聞いてみると「 大して変わらないですよ 」ということでした )
まあ、このソフトライセンス料とか以前から当たり前の請求法になってるんですが厳しいな、
っていつも思うんですけども、そういう事を表立って言うと何となくセコイ人間のようなレッテルを張られるんで
控えてはいるんですが、だったら技工料金も歯科業界全体として、もっといえば国と供給側が
WINWINの関係になるようにしてくれよ、そっちはセコくないんかい!と思ってはいるのですが、
考えるだけムダなのは過去何十年の歴史が物語っているのでもう言いません。自助努力あるのみ。
そもそも技工のデジタル化、機械化は人をある程度雇っているラボに利益をもたらすもので
日本で7割近くを占める個人ラボにメリットは無いに等しい。
無いに等しい、とは語弊がありますが これを導入したからと言ってバラ色の未来がある訳でない。
もう1つか2つ何かプラス出来る独自のノウハウ、やり方が無いとただ金食い虫の道具になってしまいます。
デジタル化に躊躇している個人ラボの気持ちは痛いほど分かる。
でも私がデジタル話を書いているのは、個人ラボでもデジタルにプラス出来るものが見つかって
ああ、そういう仕事の仕方 稼ぎ方もカッコいいよね、となる先駈けめいたものになりそればかりでなく
失敗、無知も含めて話せれば後輩諸氏にも何かしら役に立つんじゃないか?という思いも1つあるんですよね。
個別に何か教えるわけでもなく、こんなへんぴなブログで書くぶんには損もないし
それに個人ラボでCADCAM導入した人なら分かると思うんですけど、借金したり
これ何とかしなくちゃ、って思うとやる気を出さざるを得ないんです。追い込まれるとやる気がでる笑
ノホホンとぬるま湯につかっていると、どんどんモッチー( motivationです )は下がります。
ところでこのソフト、価格は別としてそれだけの価値があるものなのか?
まず?ハテナなのが、デザインはCADでやってそれを3Dプリンターで出力。それを埋没材で埋没、キャスト。
冷静に考えれば、これデジタルなの?って事ですが、そこもあまり突っ込みませんが システムとしてまだダサイ。
3Dプリンターではなく、25mmの厚いワックスディスクを削り出してそれを埋没するのも可能ですが
ワックスの削り出しに1床5時間?( 忘れました、とにかく長時間w)掛かるそうで現実的ではないとの事。
うがった見方をすれば、プリンターとセットで売り込めるので1粒で2度おいしいパターンを構築していて
ユーザーフレンドリーでなく、ディーラーやメーカーに優しいいつものパターン。
と、ここまで否定的な言葉が続きましたが、そんな事言っても始まらない。
もうデジタルの波は次々とやってきて収まる事は決してない。対応しなければ生きる範囲がどんどん小さくなる。
今現在大雑把に50代以上が約50%の技工士年齢分布。私は別にCADCAM屋さんの回し者でもないので
アレなのですが、こんなデジタルものが無くても今現在技工は出来る。
しかしあと10年後、はたしてどうなっているか?
今50才の人が60才になり今55才の人は65才。国の年金も 今からは当てになりませんよ、的な
既定路線が手を変え品を変えあちこちで戦略として広められています。
じゃあ10年後デジタルが無ければ技工が出来ないなら、60、65才で技工は辞めますわ、
みたいな覚悟も中々出来ないし、年齢がいけば行くほど新しいものに対する対応能力は落ち気味。
歯科でのデジタルの本質は何か、を考えてみるとデジタル化は“過去の業態の破壊”と考えれば分かりやすい。
新しい機械とかテクニックへの移行でなくて過去の破壊。そこからまた新たに作り上げようという
個人では抗えない流れです。迷っているなら一刻も早く手を付けるべきだと思うんですよね。
ああ、また脱線してしまった。
肝心のデジスティル。鋳造床のワックスアップでしてきた事がそのままデジタルで出来ます。
今回は、着脱方向決定、ブロックアウト、アンダーカット設定、デジタルワックスアップと
実際にやってみましたが、感覚は通常のワックスアップと同じでした。
ただ、後になって考えると色々と疑問点が出てきて、あれもこれも聞いておけばよかったな、
という事も多くありました。
今回の実習に先立ち、模型はすでにスキャンされPCに取り込み済みだったのですが
それはすでにフィニシィングラインが設定済みでした。フィニシングラインとその立ち上がり位置、
立ち上がり量は義歯の完成後の形態に大きく影響します。
義歯を多く手掛けるラボでも鋳造床は外注だったり、そもそも先生が気に入った鋳造床専門ラボに
出していてそれが回ってくる時もあると思うのですが、フィニシングラインの位置がヘンテコなものが
たまに混じっていることもあります。この位置が悪いとレジンとメタルの移行部がスムースでなくなります。
フィニシングライン設定前に仮配列をした方が当然きれいに仕上がるので、下手な私はその分時間をかけて
そうしていたのですが、そのような仮配列が出来るのか?
出来ないことはないと思うのですが、簡単なのか。またクラスプも当然アンダーカット量とか太さとか変えられますが、
それが例えばデグサのラピッドフレックスシステムみたいな、金属の種類によって( コバルトか白金加金か)
自動で簡単に切り替えるシステムなのか?( クラスプのパーツごとに個別に数値を変える事は
出来ますし、登録機能もあったので登録しておくのかもしれない)
どちらにしても、このソフトは鋳造床を作ったことが無い人が、簡単に出来るものではなく
完成後のイメージが頭の中にきちんと出来上がっている人でないと扱えない。
( 完成はさせる事は出来るけど、簡単にたわんでしまったり、分厚くなってメタルを削ったり
人工歯を配列するスペースが不都合だったり,になってしまう )
そんな事は全てのCADデザインで当然で、ベテランでも初心者でも一緒みたいなイメージが先行している現在
,実際そういう売り方をしている( 誰でも出来ますよ~的な )技工素人営業さんもそこここにいるし、難しいと言うと売れないし、
というジレンマもあると思うのですが、こんなんでいいのかな~と思う今日この頃でありました。