まあちょっと空振りした話

Zirconia bridge

ジルコニア 
メリーランドブリッジ

先日かなり久しぶりに接着ブリッジのケースがありました。
先欠で上顎2番側切歯がありません。

インプラントが普及してからは、こういったケースはインプラントになる事が多くて
アドヒーシブタイプになる事は少ないんですが、患者さんの意向だったり先生の好みだったりで、
たまにあるんですよね。

それで先生から「患者さんがとりあえずインプラント希望じゃないんですけど、どうですか?
接着でいこうと思うんですけど・・・」
ってことでお話があった時に「あ、先生!ジルコニアでも出来るんですけどいかがですか?」
って感じで売り込んだわけです。

「ジルコニアですか・・・・強度的にどうですか?」
対合や咬合状態を伺うと、もともと切端咬合で舌側面で咬合してない。
で「連結部は多少厚めになりますが、何とかいけるんじゃないでしょうか・・」
てな感じで押した訳です。すると先生から
「ジルコニアの接着ブリッジは結構ケースが出てますか?」とのご質問。

それはですね・・・・
「わたくし初回のケースです・・」と。
昨年参加した技工士の可児先生(ドイツ、ハンブルグで技工マイスター大川氏と一緒にお仕事されてます)の
研修会で、ジルコニアの接着ブリッジのケースを出されていてずっと興味があったのです。

自分としてもジルコニアでちゃんと接着強度が出せるのだろうか?と疑問もあったのですが
どうやら接着処理をきちんとすれば問題ないらしい、とのことなのでしかし
もし早期に離脱したりの場合は責任もってフォローする意向だったのですが、先生の選択は
「やっぱりメタルで行きます」と決定。

正式の受注はメタルのメリーランドブリッジになりました。がっ!
口腔内に入った時にメタルの接着ブリッジとジルコニアのブリッジで
どんな感じに違いが出るか、見てみたい欲求が出てまいりました。
なので先生には告げずにジルコニアのブリッジも自分で勝手に作ることにしました。
(前もって言わなかったのは納期とか忙しさの問題もあり、もしかして作ってるヒマが
ない場合もありうるので期待されるとマズイことに・・・w)

で、結果としてメタルとジルコニア、2つの接着ブリッジが出来たわけです。
本来は宅配で送るところですが、自分で確認するのが目的ですのでセット時間に合わせて
医院に出向きました。

「あー、わざわざすみませんね~」って感じで挨拶して頂き、実は先生・・・
と、ジルコニアで作ってみた事も告げて、めでたく試適させて頂くことも了承。
(もちろん診療が詰まっていたり雰囲気でダメそうなら、出さなかったですが)

まず最初にメタルの方を試適しますと、なんと違和感なくピッタリw
ボディ色がしっかりしていながら、表層に透明層があるMB内部ステインテクが
生かしやすい色調でしたので、ホッと致しました。
これでひとまず、どちらもダメという最悪の事態は避けられたわけですw

さあ、いよいよ自分としては今日のメインテーマ。ジルコちゃんです。
スッと入れて頂くと、「あ、適合いいですね・・」と。
ここですでに技工歴数十年のわたくしの鋳造テクも、CADCAMデジタル様に負けたわけです。

しか~し、肝心の色が明かる過ぎ。パッと見、白いです。
「色がちょっと合ってないですね・・素材の違いですか?」
「いえ・・色に関してこちらは気合い不足でした・・・」

折角作ったのなら、セットしないものとはいえ色も本気で似せるべきでした。
こんな所が詰めが甘いんで嫌になります・・・
ジルコニアのディスクも連結部の強度を確保したいので、ホワイトの一番強いのを
使ったので明るめに出るし、そのあたりのコントロールもまだまだMBのようには行かない
というか、オールセラで似せやすい歯冠色とMBで合わせやすい歯冠色が自分的にあります。
今回のはMBで合いやすい感じではありました。

どちらでも自在に合わせていけるのがプロなんですが、まだまだですね。
気持ちだけ先に行って、思いっきり空振りした話でした。

* 失敗とはいえ口腔内写真を撮らせてもらおうと思って、カメラも持参したのですが
メディアが入ってないという凡ミス・・・・

そんな日もあるよ。どんまい自分!w

 

 

CADCAM

前の記事

口腔内スキャナー