セミナー参加と主体性の話

lecture Summary

セミナーでのまとめスライド

もう2週間前の話なんですが、セミナーに参加したんです。
またしても大信貿易、石本さんの押せ押せの営業にやられ、納期に追われ風邪っぴきで
体調もイマイチの中、重い体を引きずりながらヨタヨタと水道橋の駅に降り立ったわけです。

今回のセミナー演目は「ドクターアプローチセミナー」(これからの歯科技工士の役目は何か)
という、いつもの”こうやって作りましょう”とか”こうやったら綺麗に出来ますよ”
的なものではありません。
受け取り方によっては、「何それ?」的にピンと来ない感も生じてしまいそうな話なんですが
最近の自分自身の考えとして、もう歯科技工士も”作って売る、作業者ではやっていけない時代”
に入っているのではなかろうか?という、お前さ、それ当たり前だろ、と言われるかもしれませんが
遅ればせながらの思考(遅考)モードの私にとってグッドタイミングなセミナーな訳です。

講師は神奈川でご開業、有)アートセラミックの杉山先生。
杉山先生は輝かしい経歴の持ち主の有名な方なのですが、方々の講演会に参加されているのを
見かけるにつけ、本当に勉強を怠らないのだなあ、と感心しきり 手本にすべき方なのです。

かく言うわたくし、自慢するわけではございませんが、セミナー講演会からプライベートコース
などなどかなりの数参加しておりますが、未だに”教えて下さいモード”から抜け切れてはないのですが、演目を見、また受講費を見た瞬間ににある程度「ああ、これはここまでの話をしておいて
肝心な所はプライベートコースに引き込む、いってみれば予告編のヤツな、」とか
「この実習は難しい話は聞いても無駄でメーカーの材料売りの営業だよな」とか、
おおよその内容は分かってしまい最近はその予想と実際の適合度合いがナイスフィットする
という、技工士あるあるパターンになっています。

というような話を以前、これもまた尊敬すべき先輩に話をしたところ
「関山くん、そのセミナーなり何なりを無駄にするか有益にするかは、全部自分自身だよ」と
その受け取り方の作法を説かれたわけですが、その方自身も講師をしていることもあり
「そんなのちょっとズルくないですか?そもそもが安くはないお金を払っているんだから
対価として受講者になにかを与えるのは当たり前でしょ?」と返したわけです。すると

「まあそうなんだけどさ、自分で何か1つでも持って帰るぞ、っていう、教わるんじゃなくて
自主性、主体性を持って参加したほうが得るものが多いよ、って話だよ。俺はいつもそうしてる。
だから教えてくれない事にも意味があって、それを考える事でまた分かる事があるよ、って事だね」
と、分かったような分からないような話をされ、せっかくバカにも分かりやすいようにかみ砕いて
教えてくれてんのに、その時はいまいちピンと来ず、このやろう煙に巻きやがった的な
思いもあったのですが今思い返すとなるほど、先輩の話には万に一つの無駄もないなー、
と感心するわけです。

話は戻りまして、事前に今回セミナーの要約プリントが渡されたのですが、かいつまんで言えば
「価格競争に陥らずに選ばれるラボになるためにはどうするか?」という内容で大変興味深い。以前の私なら、「このセミナーを聞けば答えが分かるんだろうなー」と能天気に考え、結果失望したでしょうが、今はそうではない!w
キーワードとして、ダンピング、付加価値、アプローチ、などが羅列されています。
この流れの中、石本さんから質問事項のアンケートをお願いされたのですが、
「質問に答えてくれる、ってこと?」と聞くと、そうです、とのこと。

これからの技工に必要なプラスアルファ、というのがどういったものなのか
は、メインの聞きたいテーマではあるのですがそのほかにも
ダンピング、とのキーワードがあるので常日ごろから
安い、ダンピング、っていうとすぐに2千円とか6千円とか1まんとか、
実際の技工料が出て来るのに、じゃあ適正価格いくらなのか、それが何故巷に広まらないのか、適正価格の共通イメージが認識されないのは何故か?と疑問に思っていて、それ、適正価格を堂々と言う人が居ないからじゃないの?と思っていて、もしかして誰も適正価格を分かってないのかもな、という
ありえない話が頭に浮かんだのです。

それはQDT誌にも月刊歯科技工誌にも、きれいなケースばかり見せていて料金が載っているのを見たことがない不思議。ある意味、料金のことはタブーとして扱っているのではないか、とも勘ぐりたくなる状況。
あくまで技工士目線ですが、悪しきダンピング君ばかりがはびこりその価格イメージが流通し、善とまでは言わないけれども正常なプライスリーダーが出てこない異常。一体これは何なのか。

技工士が、ここまで価格の事で苦しみ、その事についての教育もされず、またその利益率の低さゆえ若手に満足な給料も出せずここまで後継者を減らしてしまった結果を、その原因を表に出さず口当たりのいい建前でしか語ることが出来ない業界。
しかしはっきり言って技工士にとって”悪”の低料金は、先生にとってはある意味で”善”。
まったく同じ”モノ”であるならば誰だって安い方が良い。

つまり”モノ”以外の価値を先生に与える事が出来なければ、価格競争に巻き込まれ
その悲惨な泥仕合の中に埋もれていくしかない。その付加価値が何なのか、それを
持ち帰って検討する事が今回の自分のテーマとなったのです。

そんなこんなの思考の中でアンケートにはちょっとお茶目に、
”自費の料金を教えて下さい、またその算定基準は何ですか?”と書いて、例として、数項目を挙げておきました。
答えて頂けようとたとえそうでなくとも、自分なりに色々考える事が出来るヒントになると思ったんですね。
事前にメインテーマとは違った事も聞く可能性も出来てラッキーだよね。

つづく・・・・

 

 

 

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