新しい素材ペクトン:3

Design of the pekk abutment

exocadでのペクトンアバット設計

今回はペクトンの作業の個人的感想を、書いてみたいと思います。( 業界人用です )
私は講師でも何でもないので、あくまで個人の意見ですが初めて扱う方で、
何も知らないよりはちょっと知っておいた方がマシ程度に読んで下さい。

その前に、ちょっとピントがズレてるかもしれませんが、そんな見方もあるのねっていう
自分の独自の視点もご紹介したいと思います。

歯科技工の仕事は、個人ラボそして少人数ラボ、大規模ラボと色々な形態がありますが
その中で新しい技術の仕事、新しい素材の仕事は上記のような色々な形態をとるラボの中で
ベテランで、かつ最も技術力が高い人物が関わる可能性がとても高いと思うのです。

毎日数多くの仕事がある多人数のラボの中で、技術力が高い人が仕上げる仕事。
例えれば、飛び込みで初めて入った大きな美容室で、カリスマさんもしくはナンバー2が
担当してくれる、みたいな意味あいでしょうか・・

それは患者さんにとって、とても魅力のある事だと思います。
もちろん、新技術ゆえにまだ問題点、解決策が見いだせていない部分がある、
というデメリットもあるでしょうが、それを補ってあまりあるメリットではないでしょうか。

さて本題です。
日本では大信貿易さんが扱うペクトン。加工方法はCADCAMでペクトンディスクを
削り出すか、材料を軟化して圧入する方法があります。
当ラボではせっかくCADCAMがあるので削り出しですが、削るのも結構大変でその上
うちは乾式の機械ですので(Roland・DWX-51D)それを使っています。

正直いって圧入ならコアも出来るし、数が出ればそのほうが効率はいいと思いますが
新たに100万以上の機械を揃える余裕はないし、たくさん出るか出ないか分からないものに
そんなお金は出せないよ、って。
そもそも圧入機械の話を聞いたのも、数年前に海外で買った人が使ってるよーって話だったり
大信貿易さんさんが新たに機械も手掛けます、って聞いた時はすでにCAMソフト
(ペクトンを削るためだけに必要です。6万だったかな?^_^;)別売り)を買ってしまった後でした。

乾式で削り出すと、適合が悪いです。やり方が悪いのかもしれませんがうちはインプラントのチタンベースに合わすことしか取りあえずやっていませんので、他のケースは分かりません。

適合が悪い、というのは調整しないと入らない、合わないという意味で、地道に合わせ作業をやれば適合します。バーの消耗度合いやスペース数値を考え併せて削れば、乾式でもスパッっと合う人もいるかもしれません。
(2019年末現在、おそらくCAMソフトアップグレードがあったらしく、とても良く合うようになりました。
当ラボでは何も変えてないので!)

ペクトンを最初に扱って一番驚いたのが、その硬さです。とにかく硬いのです。

自分のラボで削り出したのは今回のアバットメントが最初ですが、3年ほど前に( 2015年 )
フルマウスのケースのワックスアップしたのを外注にお願いして、韓国かどこかにデータを飛ばして大信さんに削ってもらいました。
(その時のケースの写真はPCハードディスクがクラッシュして全てスッとびました)
*( これは友人より指摘を受けました。”そんなに固いか?”と。確かに小さいものでは
感じないし、特大フルマウスケースでしたのでそう感じたのかもしれません。また
大信貿易さんに「 もしかしてペクトンに硬さのグレードがあって日本に入れてるのは
軟らかいヤツか?」と聞いてみたのですが、そうではないらしい。まあ、感覚的な
ものも多分にあるのでご容赦願います。)

上顎のフルフレームでしたので大きく、これでいいと思ったワックスアップの状態も
納品されたペクトンフレームを調整していくと、かなりの修正が必要でした。
ペクトン用の研磨ポイントがあるわけでもなく(2018現在も大信さんのカタログには
品揃えがあるわけでもありません{リンク

色々試してみたところ、一番効率のいいものを見つけました。
鋳造床用の研磨ポイントです。
(最新情報リンクhttps://shiny-dentallabo.com/2018/12/29/pekk-workshop-dental-prosthesis-pekk-2/?preview_id=380&preview_nonce=43c9a43457&_thumbnail_id=-1&preview=trueやってはいけないようです。便利なんですが・・^_^; )
その中でも補強メッシュの入ったコバルト用の厚いディスクが、大きな修正に役立ちます。
大きく削れて早いです。その後の荒研磨もコバルト用のホイールなどが活躍します。
形態修正のためには、新しい径の大きなものではなく少し使い古したものが使いやすい。
もちろん小さなアバットメントなどには、必要ないかもしれません。

今はほとんど鋳造床はやらなくなりましたが、コーヌス時代やアタッチメント時代にそこそこやったので無駄なことはないんだなー、などと一人悦に入りました。
その後の研磨はダイヤ入りシリコンなどで仕上げしていけば、硬いのですぐに綺麗になってくれます。

こんなもんでいかがでしょうか?役に立つのかな?
取りあえずペクトンについては、ここで一端終わります。

2018・12月に東京でペクトンサミットという講演会があるようで
出席予定なのでまた新しい情報があれば書きたいと思います。

では、さよなら、さよなら、さよなら~
追加*ペクトンサミット ジャパン行ってきました^^{http://shiny-dentallabo.com/2018/12/15/pekk-workshop-dental-prosthesis-pekk/


新しい素材ペクトン:3” に対して2件のコメントがあります。

コメントは受け付けていません。